vol.06 – tr.9 グラスホッパーさん【作曲】
tr.9 グラスホッパー × 8
♪バラード
Q. 今回のコンピに参加した動機・理由についてお聞かせください。
グラスホッパーさん:私は、今のような作曲活動をやるようになって以来、
仲間内からの評判はそこそこ良く、
自分でも満足の行く曲が作れていた自信はあったのですが、
その一方で、いまいちハジケきれていないような気持ちもありました。
そんな折に、
たまたまリツイートか何かで本企画の参加者募集告知を見かけ、
曲のアイディアが割とスラスラ思い浮かんだこともあり
参加を決めました
(もっとも、最初に申し込んだ時に手続きの仕方を間違え、
あわや“死産”になりかけましたが…)。
コンピレーション盤というのは全くの初めてだったのですが、
“俺より強いヤツ”に会えるのかと思うと期待に胸は踊りました。
今まで本当にずっと独りでやってきましたし、
この企画のようなコンセプトは腕試しにはもってこいでしたからね。
Q. 作曲するにあたり、気を付けた部分、難しかった部分をお聞かせ下さい。
グラスホッパーさん:コンピ盤ということもあり、
最後に舵取り的なマスタリングが必要なので、
自分の曲の音圧レベルがどのくらいなのかを
分かりやすく明示する必要があると考えました。
この曲がいきなり「ジャーン」と大きな音から始まるのはそれが理由です。
あとは、詞の内容的に、桜の花びら、銀杏の葉、雪や霜など
色んなものが降ってきたり積もったりするので、
なるべく多彩なバリエーションを付けてそれらを
音色で表現できるように心掛けました。
Q. 自楽曲の方向性・ジャンルを決めた経緯をお聞かせください。
グラスホッパーさん:最初にアイデアをまとめた時点で
構想は既に固まっていました。
私にとって、ああいう曲調、
ああいう楽器編成で曲を作るのは、
息をするのと同じくらい自然なことです。
Q. 自楽曲の聴きどころ、聴いてほしいポイントがあれば教えてください
グラスホッパーさん:私は単に作っただけであり、
聴いた人が自由に捉えていただければ良いと思っていますが、
強いて挙げれば、左チャンネルに配置したエレキギターです。
前々から「こんなフレーズをこういう音で鳴らしてみたい」と
思い描いていた理想を、この曲で一気に詰め込みました。
Q. 他作曲者の楽曲を全て聞いてみての率直な感想をお聞かせください。
グラスホッパーさん:短調で曲を作る人が結構多いんだな、
という印象です。
ストレートに長調で作った私はバカ正直なタイプだったんだろうな、
と改めて思いました。
詞の世界観が日本的な四季ということもあり、
どことなく東洋的なエッセンスを採り入れた、
“ネオ・オリエンタル”とでも言うべき曲調の作品が目立つ印象です。
このアルバムがきっかけで、これまで殆ど知らなかった、
いわゆるケルト音楽というジャンルに接したのですが、
もともとケルト音楽自体が
そういうものと親和性が高いのかもしれませんね。
Q. このコンピレーションアルバムのオススメポイントを教えてください。
グラスホッパーさん:何しろ、皆さん参加者の平均レベルが高いです。
聴いていて退屈するなんてことはまず無いのではないでしょうか。
私は今どきの音楽を全く知らないので
結果的にこんな感じの曲調になりましたが、
携わった皆さんの率直な感性が思い思いに炸裂した、
最強の“異種格闘技戦”に仕上がっているのではないかと思います。
Q. 自楽曲の担当ボーカルさんに伝えたいことをどうぞ!
グラスホッパーさん:私はボーカルをミックスする
ノウハウが乏しかったこともあり、
お恥ずかしながら、今回の作業は地獄のように大変でした
(正直、伴奏部分を作るうえでの苦労など
全て吹き飛んでしまい何も覚えていないくらいです)。
私に実力がもっとあれば、設備がもっとあれば、
より持ち味を活かしたベストなミキシングが出来ただろうに、
ボーカルを担当してくれた8さんはどう思っただろうか、
本当にただただ申し訳ない、
ここ最近はずっとそんなことばかり考えていました。
機会があれば、もっと凄いのを作りますので、
またご一緒させていただきたいです。
Q. その他伝えたいことを自由にどうぞ!
グラスホッパーさん:この企画に携わる直前まで、
私は半年間ほど体調不良に苦しんでおり、
あまりにも何も出来ないことから半ば自暴自棄になっていました。
このコンピに参加することを決めてからも、
「今は普通に動けるけど、ある日突然、
あの時みたいに何も出来なくなったらどうしよう」
という恐怖と常に隣り合わせで曲を作っていました。
コンピ盤に参加することを決めた以上、
私もまたパズルのピースのひとつであり、
私がしくじれば携わった方々全ての顔に泥を塗ることになりかねません。
曲の内容がどうのこうのというより、
私にとってはコレが何よりも最大の懸念材料でした。
私はうまくやれていたのだろうか、
と思うと反省点は尽きないくらいですが、
あんまり「すみません」ばかり言っていると
このアルバムの価値自体に傷が付いてしまいそうですね。
出来る限り気丈に振る舞っていきたいと思います。
グラスホッパーさんの楽曲は、明るく楽しい楽曲です。
初めて聴いた時から、この楽曲はアルバムのラストの楽曲にしよう!と思いました。
聴き終えたあと、とても幸せな気持ちにさせてくれる楽曲だなぁと思ったからです。
グラスホッパーさんもインタビューでお答えさせれましたが、
今回、短調の曲が多かった中で、突き抜けた長調が清々しく、ラストを飾るにふさわしい楽曲だと思います。